新規製品開発のためのUXデザインワークショップ


UXデザインワークショップのゴール

ATOMOSでは、UXの設計そのものだけでなく、設計プロセスそのもののトレーニングを含んだプロジェクトを手がけています。それほど特殊なプロセスを用いているわけではなく、UX/アジャイル/リーンのよく知られた手法を実践しています。

新規製品開発にあたっては、開発に関わるステークスホルダーが製品のターゲットと意図をよく議論し、そのうえで製品の要件と、プロジェクトの持つリスクをスピーディーに洗い出して対応していくことが望ましいと考えています。

製品コンセプトの定義/ターゲットユーザーの定義/カスタマージャーニーマップの作成などを通して、それらの作業を行う方法をご紹介します。

アイスブレイク

内容に入る前に、チームメンバーがお互いをよく知らないような場合には、アイスブレイクのための時間を取ります。

製品コンセプト

最初に、製品コンセプトを整理するために、エレベーターピッチと呼ばれるものを作成します。何ができる誰に向けたプロダクトか、コアの機能は何で既存のソリューションと比べて何が優れているのか、穴埋めをして2行で表現します。

エレベーターピッチの例

各自が作成したら、それぞれの内容を共有してすり合わせ、一つのエレベータピッチにまとめます。このような過程を通して、製品のもっとも根本的なコンセプトがチーム内できちんと共有されるようにします。

ターゲットユーザー

次に、エレベーターピッチでは一言で書かれたターゲットを、より詳細にモデリングします。とはいえ、たまに行われるような、ペルソナについての設定をむやみに詳述するようなことはしません。製品において期待する行動に結びつくような属性、特に今持っている課題と、ニーズに焦点をあてます。(詳しくは以前の記事をご参照のこと。)

ターゲットユーザー:行動に結びつく情報

こちらは、イメージを膨らませるために顔や氏名や年齢といった情報を含めますが、共有と議論においては想定されるニーズ/課題、および行動に結びつく属性の抽出に焦点を当てます。また、この時点で、ニーズ/課題に応えるソリューションアイデアをメモ書きしておくこともできます。

カスタマージャーニーマップ

最後に、カスタマージャーニーマップです。近年、僕の関わるUX設計では、カスタマージャーニーマップを起点として要件定義およびKPI設計を行うという方法を取っており、UX設計の要です。(カスタマージャーにマップについてはUXplorationの記事等、多くの情報がオンラインに有ります。)

カスタマージャーニーマップ:顧客の体験をストーリーとして可視化する

カスタマージャーニーマップは、製品/サービスの中のユーザーの体験をその構成要素とともに時間軸に沿ったストーリーにまとめるものです。大抵の製品の全体像が、A3 1枚程度のシートにまとめられ、マネージャー/開発チーム/デザイナーなどのステークスホルダーの間で認識を共有することに適しています。

多様なフォーマットが用いられていますが、僕は上に掲載したように、Touchpoint、ユーザーのAction、その際に考えていること(Thinking)、そのステージで事後に感じること(Feeling)、そのレベル、そしてそれぞれのステージで先のステージへ進むことを妨げうるProblem、とまとめる方法を用いています。

チームでの作り方としては、まずはユーザーが取ると想定されるActionを各自がポストイットに書き出し、ホワイトボードに貼った模造紙の上に時系列に並べていきます。全員が貼り終わったら、同じタイミングで行われると想定されるActionをまとめて、Touchpointを想定し、Stageを作っていきます。それぞれのStageについて、同様の方法でThinkingおよびFeelingの項目を洗い出し、最終的にユーザーを製品から離脱させうるProblemを抽出します。

ラップアップと次のステップ

最後に、完成したエレベーターピッチ/ペルソナ/カスタマージャーニーマップについてのラップアップを行い、ワークショップとしては終了です。このような作業を、チームメンバーが一緒にまとまった時間を取って行うことで、製品のコアを明確にし、認識のギャップを減らし、メンバー間の相互の理解を深めることができます。

次のステップとしては、カスタマージャーニーのActionとTouchpointから製品の要件を洗い出し、またProblemに対して確認を行っていきます。