国民的RPGとマルチデバイスエクスペリエンス


昨日発表されたドラクエの最新作11がネットで大きな話題を呼んでいます。その理由は、PS4/3DSという異種マルチプラットフォームで同じシナリオ、しかも3DSでは上画面で3Dポリゴン表示、下画面でファミコン風の見下ろしドット絵という、複数の表現でプレイできる点です。今発表されているだけでも、同じゲームに3種類のUXがある。しかも、今後発表される予定の任天堂の新型ゲーム機NX向けにも発売されるとのことです。

PS4版スクリーンショット

3DS版スクリーンショット

gigazineより)

サービスやアプリの世界では今や複数のデバイスへの展開は当たり前で、UXもそれぞれのプラットフォームに合わせて最適化するのは今や当然となっています。ところがゲームでは、これまで一本のタイトルでこれだけの幅のあるプラットフォームに展開するものはありませんでした。MMOなどはたくさんのプラットフォームに展開することはありましたが、どのプラットフォームでもUXは同じというのが一般的でした。今回のドラクエでは、なぜこのようなデザインにしたのでしょうか。

僕はファミコンの頃からゲームをやってる世代ですが、ドラクエやFFのような国民的といっていいメジャータイトルの新作が発表されると当時の小学校や中学校ではその話題で大いに盛り上がりました。ところが、時を経るにしたがってゲームの世界の幅は広がっていきました。据置型と携帯型それぞれのマーケットがあり、ソフトの好まれるジャンルも多様になりました。僕らみたいな昔からのゲーマーもいれば、ポケモン、モンハンなど、時代とともにヒットタイトルも移り変わってきました。誰もが共通の話題にできるようなゲームの共通体験というものは失われてしまいました。

そんな中でも、ドラクエの9は500万本を超え、シリーズ最高の販売本数を記録しました。ところが次のドラクエ10は継続課金のMMOとなり、当然ながらプレイヤーの数は激減しました。事業としてはMMOは安定した収益性があって良いのかもしれませんが、やはりドラクエの国民的RPGという立ち位置からするとナンバリングタイトルにするのは違和感がありました。

ドラクエ11が目指したのは、もう一度国民的RPG、ゲームをする人であれば誰でもやっていて、共通の話題にするようなタイトルへの回帰を目指したのではないでしょうか。だからこそ、据置の最先端のPS4、携帯型で高いシェアを持つ3DSという異種のプラットフォームへの対応、そしてドット絵/ローポリ/ハイポリというどの世代のUXでも好ましいものを選んでプレイできる。そんなデザインにしたのだと思います。また、対応が正式に発表された任天堂の新ゲーム機NXは、Androidの搭載が噂されるなど、スマホのプラットフォームとの親和性を高めると予想されています。

サービスやアプリがいち早く進んだように、ゲームもマルチデバイス向けに最適化されたエクスペリエンスが当たり前になっていくのかもしれません。ドラクエ11の成否はその試金石となるでしょう。