凛女のススメ


凛女のススメ 表紙

(著書のお一人である荻原実紀さんからご献本いただきました。)

かつて、ウーマンリブという運動がありました。男女の役割分担、もっといえば女性の担う役割が限られていた中で、公民権運動の流れを受けて男女の社会的機会の均等を求めたものです。日本においても、男女機会雇用均等法の成立につながり、女性のキャリアの可能性は大きく広がりました。ただ当初の運動は、女性が男性と同等になるという意識が強く、たとえばキャリアウーマンのスタイルにしても80年代のパッド入りショルダーに代表されるように肩肘の張った、あたかも男性そのものになることを目指すものでした。

今でも国内の上場企業の役員に占める女性の割合はわずか2.9%(日経新聞調べ)と、やはりキャリア形成には性差による不平等があるのは厳然たる事実です。一方では、ウーマンリブの時代から二世代ほどが経過し、女性のキャリアは男性から勝ち取るものという言ってしまえば競合的なものと捉えるのではなくなってきたように思います。結婚や出産や美容のような女性のライフスタイルもポジティブに受け入れながら、うまくキャリアとのバランスを取っていく、そんなしなやかさを持った素敵な女性を、身の周りにも少なからず見かけるように思います。

本書は、そんな前向きかつ自立したキャリアを育んできた女性を「凛女」と名付け、そんな凛女20名からなる「凛女推進委員会」が、凛女を目指す人へ向けて、キャリアから結婚、子育て、美容や健康、はてはお金のことまで、専門的な知見と個人的な経験との両方からつづった一冊です。

執筆者の一人であり友人でもある感性デザインコンサルティングCOTOVIA代表の荻原実紀さんは、大手事務所から独立して自らのデザイン事務所と、事業会社をもう一社経営しながら、趣味のオペラにも熱心に取り組まれ、最近は宇和島伊達家の当主でいらっしゃる伊達宗信さんとご結婚され、ご夫婦で宇和島の文化の保存と継承にも取り組まれています。まさに凛女そのものと言っていい方です。

僕はもちろん男性なわけですが、妻はフルタイムで働いており、それぞれの仕事を精いっぱいがんばりながら、家のことなどもなんとか分担しながらやっています。それははっきりいって簡単ではなく、正直割り切って役割分担をしてしまえば楽だと思うこともあります。それでも、妻には自分のキャリアを持っていてほしいと思いますし、自分は自分で自分の生活のことをやっていると、それが実は生活者のことを肌で理解できるようになるため、自分の仕事にもポジティブな影響を与えていると思います。

キャリアも充実させながら、女性としての生活も楽しむ。そんなステキな凛女が増えれば、世の中はもっと明るくなるはず。特に、今後少子化によって働き手が減り、移民の受け入れの政治的なコストも高いと考えられる日本では、女性のキャリアアップが、経済の活性化の面でも必要性を増しています。本書は女性のみなさんには広く受け入れられると思いますが(実際アマゾンで3カテゴリーでベストセラー1位になったそうです!)、男性のみなさんも、パートナーや仕事仲間の女性がもっと輝けるように何ができるかのヒントが得られるでしょう。